インタビュー

異業種から転職。訪問介護はひとりで行う仕事だが
悩みを相談できる仲間がいるから安心できる

2003年 中途入社
訪問介護 主任
サービス提供責任者
Tさん(42歳)

ひとりでご利用者のご自宅に伺い支援を行う訪問介護。しかしヘルパーステーションにはスタッフが担当以外のご利用者のことも把握し、いつでも相談できる仲間として、共に働いています。
そんな訪問介護の魅力は、人生が詰まったご自宅に伺うからこそ、ご利用者と信頼関係を築き、ご利用者の人生の一部に携われることではないでしょうか。

何もできない私に「ありがとう」と感謝の声。
人生の一部に携われる素敵な仕事だと思った

私は未経験から介護の業界に入りまして、もともとはパンをつくる仕事をしていたんです。しかし高齢化社会を迎え、介護を必要とする人が増える中、私にできることは何かを考えた結果、福祉の仕事に就いてみようと思い、転職を考えるようになりました。

そして資格取得のための研修を受けているときに、施設のご利用者は自分よりも何十年も人生の先輩なわけで、そういった方々の人生の一部に携われる事は素敵だなと思うようになったんですね。
さらに研修中は何もできない私に対して、ご利用者から「ありがとう」と言葉をかけてくださったのが、いまだに印象に残ってまして。そのとき、この仕事に就こうと決意しました。

はじめは子どもがまだ小さかったこともあり、夜勤のないデイケアで働き始めました。そして現在は訪問介護に異動し、ヘルパーステーションのサービス提供責任者を務めています。

訪問介護は基本的にはひとりでご自宅に伺うため、施設で他の職員と一緒に介護する環境とは働き方が異なります。そのため、ヘルパー自身が不安に思うこともありますから、みんなの不安を解消できるような研修の実施や、記録の書き方についてのノウハウを共有するなどを行っています。

特に記録の書き方は重要で、ご家族はもちろん、連携している訪問看護、訪問診療の方々にもわかりやすく伝える必要があります。たった1時間の介護でも、どう過ごしたのかを細かく残しておくことで、後々のご利用者の細かな変化に気づくことができるからです。

 

ご利用者の住み慣れた家で過ごす訪問介護。
大切な人生の一片を一緒に過ごせることが魅力

介護の仕事を始めて、15年。いまの私があるのは、ご利用者からの「こうしたほうがいい」「ああしたほうがいい」といったお声の積み重ねだと思っています。本当に、ご利用者に育ててもらったという感覚が強くあります。

特に印象に残っているのは、98歳のご利用者。上手にケアができなかったときも笑いで気持ちをほぐしてくださったりと、とても良くしてくださり、お迎えにいくのが楽しかったのを覚えています。
そして私のことをあだ名で呼んでくださったり、またその方のご希望で、その方のこともあだ名で呼び合うようになったんですね。まだまだ未熟だった私にとって、心を通わすことができたのは嬉しかったですし、最後は「あなたがいて良かった」というお言葉をいただけたのは、とても嬉しく、また私の存在を認めていただけたということに、強く胸を打たれました。

訪問介護は施設での介護と違い、ご利用者の住み慣れた家で過ごします。そして、ご利用者の築き上げてきた人生がその家には詰まっているため、ご利用者の人生を垣間見れる瞬間が非常に多いんですね。
そういった大切な人生の一片を、一緒に大事にできる。そしてその人生の一部を一緒に過ごせるというのが、訪問介護の魅力だなと感じています。

 

訪問介護自体はひとりで行う仕事。
その後ろには支え合う仲間がいるから安心できる

現在、ウィズ・ハートでは4名の正職員と、15名の登録ヘルパーが在籍しております。ヘルパーステーションの主任は私なのですが、私がヘルパーステーションの雰囲気をつくっているというよりも、みんながいまのヘルパーステーションの雰囲気をつくってくれているなと感じています。

というのも、ヘルパーの方々はみなさん私よりも年齢が上の方が多く、ベテランの方々。仕事面でもそうですし、精神面でも本当に支えてもらっているんですね。そういった方々から「これからも絶対ずっといてね」「あなたがいるから、私もいるんだよ」と声をかけてくれるのは本当に嬉しいですし、頑張ろうと思えます。

そして、みな訪問自体はひとりで伺いますが、その後ろには他のスタッフがいて、困ったことがあれば一緒に悩み、解決しようと手を差し伸べてくれる仲間がいます。また自分の担当でなくても、みんなでご利用者のことを理解しているため、すぐに相談しあえるというのは、ウィズ・ハートの良さだなと日々実感しています。

また、私は人見知りしがちなのですが、ご利用者の前では自分の素を見せて接することができるんですよね。それはやはり、人生が詰まったご自宅に伺うからこそ、信頼関係が重要だからだなと。
信頼関係が築けたご利用者のご自宅は、まるで私にとっても自宅にいるような、素の自分でいられる場所。仕事ってなかなか素の自分を出せないものですが、訪問介護は飾らない自分でいられる、不思議な仕事ですよね。